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2024.01.16 大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂]は、20~69歳の男女400人を対象に、『腸活と痔に関する意識調査』を実施しました。
痔とは、肛門とその周辺の病気の総称。「痔(じ)核(かく)(いぼ痔)」と「裂(れっ)肛(こう)(切れ痔)」「痔(じ)瘻(ろう)(あな痔)」を痔の3大疾患といい、タイプによって、症状や対策は異なります。男性に多いと思われがちな痔ですが、実は男女問わず、誰でもかかる可能性のある身近な病気なのです。
今回の調査の結果、「痔になった」または「なりそうで心配だった」と回答した人は、男性の約3割(31.0%)、女性の4人に1人(26.0%)にのぼりました。また多くの人が、痔の原因が排便トラブルにあると考えているにもかかわらず、腸内環境を整えると痔の対策につながることを知っている人は1割以下(8.0%)であることがわかりました。
痔の原因や予防法をはじめ、お尻の悩みの解決につながる生活習慣、腸内環境の改善に関して、江田クリニック院長・江田 証先生にうかがいました。
◆男性の約3割(31.0%)、女性の4人に1人(26.0%)が「痔になった」または「なりそうで心配だった」と回答
◆痔になった人、心配だった人が考える痔の原因は、1位「長いトイレで肛門に負担」(43.9%)、2位「慢性的な便秘」(36.8%)、3位「デスクワークなど、長時間座ったままの姿勢」(28.1%)
◆腸内環境を整えることへの意識は高く、4人に1人以上は「水分を十分に摂取」(31.0%)、「野菜(食物繊維)の摂取」(28.3%)、「乳酸菌食品の摂取」(26.3%)と腸活志向
◆しかし腸内環境の改善が痔の改善にもつながることを知っている人は1割以下(8.0%)。約半数(45.5%)が「知らない」という結果に
「痔になったこと、または痔になりそうで心配だったことはありますか」という質問に対しては、男性の約3割(31.0%)、女性の4人に1人(26.0%)が「ある」と回答。「ある」と答えた人で、男性は60代(55.0%)の半数以上を占め、突出しています。一方女性は20代から60代まで大きな差はなく、年齢にかかわらず痔で悩んでいる人が一定数いることがうかがえます。
「痔になった」または「なりそうで心配だった」と回答した人に、痔の原因を聞いたところ、「長いトイレで肛門に負担」(43.9%)が最も多く、続いて「慢性的な便秘」(36.8%)、「デスクワークなど、長時間座ったままの姿勢」(28.1%)の順になりました。多くの人が、排便でのトラブルで肛門に負荷がかかることで痔になると認識していることがわかりました。
腸内環境を整えるためにしていることを聞いたところ、「水分を十分に摂取」(31.0%)、「野菜(食物繊維)を摂取する」(28.3%)、「乳酸菌食品を摂取する」(26.3%)が上位に上がりました。4人に1人以上が、身体によい食事を意識することで腸内環境を整えており、腸活志向であることがうかがえます。
多くの人が、慢性的な便秘や長いトイレで肛門に負担をかけるといった排便習慣が痔に関係していると考えているものの、よい腸内環境を維持することが痔の対策につながることを「知っている」と答えた人は1割以下(8.0%)、「知らない」と答えた人は約半数(45.5%)という結果になりました。腸内環境を整えることで排便トラブルは改善しますが、それが痔の改善にもつながると認識している人は少ないことがうかがえます。
自治医科大学大学院医学研究科修了。日本消化器病学会認定専門医、日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医、日本抗加齢医学会専門医、米国消化器病学会国際会員。『新しい腸の教科書』(池田書店)他著書多数。
江田 証(えだ あかし)先生
排便時のいきみや血行不良により肛門周辺の毛細血管がうっ血すると、「いぼ」のように膨らむ「痔(じ)核(かく)(いぼ痔)」、刺激により肛門の皮膚が傷つく「裂(れっ)肛(こう)(切れ痔)」、膿がたまる「痔(じ)瘻(ろう)(あな痔)」が起こります。主に次のような排便トラブルや生活習慣が肛門周辺に負担をかけ、痔を招いてしまいます。
◆痔の原因①:排便トラブル(便秘・下痢)
便秘はいきむ時間が長くなり、下痢は肛門の括約筋(かつやくきん)がいつも緊張状態となることで、肛門周辺の毛細血管がうっ血しやすくなり、痔が起こります。硬い便や下痢の刺激が肛門周囲の皮膚を傷つけることもあります。また、便意がないのに長時間いきむことも肛門に負担をかけることになります。
◆痔の原因②:同じ姿勢を長く続ける
立ちっぱなし、座りっぱなしといった同じ姿勢を長く続けていると、肛門周辺がうっ血し、痔を招きます。これは肛門が心臓より下にあるためで、2本足で立つ人間の宿命ともいえます。
◆痔の原因③:食生活
食生活が不規則で朝食を食べなかったり、暴飲暴食を繰り返したりすると、腸に負担をかけ便秘や下痢を引き起こす原因になります。また、アルコールや刺激物は肛門付近の静脈の血流を滞らせるため、うっ血しやすくなります。
◆痔の原因④:ストレスや体の冷え
腸はストレスの影響を受けやすいため、ストレス過多になると便秘や下痢が起こりやすくなります。また、冷えると肛門周辺の血流が悪くなり、うっ血の原因になります。
◆痔の原因⑤:女性ならではの理由
排卵から生理開始前にかけて盛んに分泌される女性ホルモン「プロゲステロン」の影響やダイエット、排便の我慢などにより、女性は便秘に悩むことが多く、痔になりやすい傾向にあるといえます。痔は中高年の男性に多い病気と思われがちですが、男女差はほとんどなく、実は若い女性が多くの痔の原因を抱えているのです。また、妊娠すると血液が子宮に集中したり、胎児の成長により子宮が重くなったりするため肛門がうっ血しやすく、さらに出産時のいきみによる刺激も痔を助長します。授乳時には母乳に水分を奪われることでも便秘がちになり、痔を招きやすくなります。
排便時に出血を伴う「痔核」や「裂肛」と似た疾患に、「大腸がん」があり、排便時の出血を痔と思い込んで、がんが進行してしまうケースも少なくありません。痔であれば出血が見られない日もありますが、出血が日々増える場合は痔以外の病気である可能性が高いので、自己判断をせずに、速やかに肛門科を受診しましょう。
痔核と裂肛の場合、症状が軽いうちは生活習慣の改善を行ったうえで、市販薬を使用することも有効です。なお、痔瘻は治療せずに放置していると、炎症を繰り返したり複雑化したりすることがあり、医療機関での治療が必要です。また、長年にわたって刺激が与えられることにより、まれに痔瘻がんになることがあります。痛みが増してきたり、ゼリー状の分泌物が出てきたら要注意です。痔瘻の疑いがある場合は病院を受診し、早めに完治させましょう。
◆痔の予防法①:1日1.5~2ℓの水を飲む
予防で最も大切なのは、便秘・下痢の改善のためのよい排便を促す食習慣です。その目安となる便のチェックを毎日の習慣にしましょう。理想の便は、むいたバナナくらいの軟らかさ。そのために水分は不可欠なので、水をしっかり飲むことが大切です。
◆痔の予防法②:食物繊維やねばねばした食品を摂る
よい排便のために欠かせない食物繊維。食物繊維が豊富な食品は、野菜やいも・豆類、海藻やきのこなど。特におくら、めかぶ、山いもなどは保水性があり、便を軟らかくする働きをもつのでおすすめです。
◆痔の予防法③:植物性の油を適度に摂る
油分は便をスムーズに出しやすくするので、よい排便のためには油の摂取も必要です。特に、オリーブオイルに含まれるオレイン酸はリラックスを促し、腸を動きやすくする効果も期待できます。
◆痔の予防法④:バランスよく食べる
3食、栄養バランスよく食べ、便秘・下痢を解消することが重要。そのためには、腸の動きをよくする食物繊維や整腸作用のある乳酸菌やオリゴ糖を含むヨーグルトなどを積極的に摂り、肛門を刺激するアルコールや香辛料は控えるとよいでしょう。
◆痔の予防法⑤:トイレにスマホなどを持ち込まない
いきむ習慣や長時間にわたり同じ姿勢を続けないことも大切です。トイレにスマホなどを持ち込み長時間いきむことは、肛門に負担がかかるだけでなく、排便にも集中しづらいため控えましょう。
◆痔の予防法⑥:こまめに体を動かす
重い荷物を持つ仕事、おなかに力が入るスポーツなどで肛門付近をうっ血させると、痔核の原因になります。長時間に及ぶドライブの座りっぱなしや仕事などでの立ちっぱなしの姿勢も、うっ血の原因となり、よくありません。こまめに体を動かすことを意識しましょう。
◆痔の予防法⑦:シャワーだけでなく湯船に浸かる
入浴はストレス解消、血行促進、お尻を清潔に保つという効果が期待でき、痔の予防・改善に有効です。シャワーだけで済ませず、湯船に浸かる習慣をつけるとよいでしょう。
体が冷えると肛門付近の血流が悪くなり、うっ血して痔核を招きやすくなります。体を冷やさないよう、寒い場所に長時間居続けることは避けましょう。 また、飲酒も痔核を悪化させる原因となります。アルコールは動脈の血流を促しますが、静脈の血流を滞らせる性質があるため、痔核の原因となるうっ血を招きます。冬はアルコールを飲む場面が増えますが、飲み過ぎに気をつけましょう。
腸活ナビ : https://www.biofermin.co.jp/chokatsu_navi/
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